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「シェアリングエコノミー」とは?市場規模や例も解説

シェアリングエコノミーという言葉を最近良く耳にするようになったのではないでしょうか!?

シェアだからみんなで共有するものというイメージはざっくりあると思いますが、どのようなものがシェアリングエコノミーなのでしょうか?

どんなビジネスが存在し、またなぜこのように急速に発展きたのでしょうか?今後のビジネスを考える上で、知っておきたいシェアリングエコノミーの内容についてご説明していきたいと思います。

 

Contents

「シェアリングエコノミー」とは何か?市場規模は?

シェアリングエコノミーとは、モノや空間など色々な資産をインターネットを通じて個人間で共有または流通させることで成立する経済の動きのことになります。

シェアリングエコノミーの国内市場規模は2016年で約500億円、2021年にはなんと約1,100億円、世界全体では2025年に約3,350億ドルになると言われています。

シェアリングエコノミーには以下2つの特長があります。

① 遊休資産の共有や売買が多い
空き部屋や車などをある時間共有したり、不要な服やスキルなどを売買したり使用していない資産を他者とシェアしたりします。

② 安全性の担保のため相互評価によって信頼情報を蓄積
シェアリングエコノミーでは不特定多数の人が取引をします。そこでの安全性の担保のひとつが利用者同士の相互評価です。当事者は互いに相手から評価を受け、評価が高いと信頼度が高い、逆は信頼度が低いとなり、次の取引に影響されます。

シェアリングエコノミーの事例

シェアリングエコノミーには5つの代表的な分野があります。

1. 空間のシェア
空いている部屋を提供したり、空きスペースや駐車場など場所をシェアします

2. モノのシェア
メルカリなどに代表される個人間での売買です

3. スキルのシェア
個人がもつスキルをそれを必要とする他者とマッチングします。仕事のスキル、趣味のスキル、介護や子育てサービスもあります。

4. 移動のシェア
Uberなどに代表される自家用車を用いたライドシェアと呼ばれるものです。自転車を一定の地域内で借りられたりする事業もあります。

5. お金のシェア
クラウドファンディングに代表されるもので、インターネットで多くの人からある目的のためにお金を集めるものです。

このように、様々な分野で使用されていない資産を活用していく経済の動きがシェアリングエコノミーです。

ここで、なぜこのようにシェアリングエコノミーは発展してきたのでしょうか?それには3つの背景があります。

① 技術進化
インターネット(ソーシャルメディア)の普及によりサービスに関する口コミが増え、相互評価と信頼情報を蓄積できるようになりました。また、オンラインでの決済サービスの登場によりスマホアプリで利用できるようになったことです。

② 所有に対しての意識変化
所有と利用は分けて考える必要があります。特に、ミレニアル世代(1980年代~2000年生まれ)は、所有に拘らず他者と共有することに抵抗が少ないと言われています。

③ エコ意識の向上
大量消費への反省。かつてのモノの消費や廃棄から、無駄なくモノを活用する再利用や共有の考え方に関心が高まってきています。

このような技術や社会の意識の変化が、シェアリングエコノミーを普及させています。

シェアリングエコノミーを考えるときの注意点

1.法整備・規制・既存事業者との対立には注意
シェアリングエコノミーは新しいサービスです。国や自治体が定めた規制とは相いれない場合があります。例えば、Uberはタクシーに関する現地の規制や法に違反していることがあり、各地で訴訟を起こされています。

2.安全性の担保・向上
サービスの提供者が個人であることが多いのがシェアリングエコノミーです。その場合、提供されるサービスにばらつきがあったり、利用者がトラブルに巻き込まれることもあります。一方、サービスの利用者側のマナーが悪いとサービスの提供者である個人がトラブルにあうことがあります。Uberなどでは事故に対応する保険を提供したり、登録者の身元確認を強化したり、安全性の向上に取り組んでいます。

シェアリングエコノミーは新しい経済の動きのため、既存の法や仕組みでは対応できていないことがあります。改善はされているものの、まだまだ途上にあります。政治・経済・社会・技術の発展で今後も変わってくると思います。

メーカーでの経験を通じて

メーカーとして何に気を付けなければいけないか、それはシェアリングエコノミーによる新しいサービスの登場で自社の既存のビジネスが代替されてしまわないかということです。

市場規模の推移は先ほどご説明した通りに間違いなく成長市場です。その成長分は既存のビジネスから取られていってしまうのです。私たちはメーカーですので、モノの提供が主になりますが、既存で提供しているものがシェアされたらどうなるか?という思考を常に回しておく必要があります。

シェアリングエコノミーでは代替されない価値をきちんとつくっておく、さらには自社がシェアリングエコノミーを提供することができないかと思考を切り替える必要があります。この流れは価値観の変化であり、ビジネスの環境変化でもあります。それに反するのではなく、流れにのる発想で自社ビジネスを俯瞰して捉える必要があると考えます。今自社が提供しているモノまたはサービスをシェアするとどうなると思う?それはなぜ?それはなぜ?という思考を今のうちにぐるぐる回すことが重要だと感じています。

まとめ

シェアリングエコノミーと聞くとベンチャー企業が行う新たなビジネスだから、自分たちはあまり関係ないと思われがちです。しかし、前段でもご説明したように所有から共有にシフトしていく流れが間違いなくきています。

今自社が提供していることが所有の場合、代替されるリスクをきちんと考えておくこと、または自社がその共有のビジネスを先んじて考えておくことが重要です。シェアリングエコノミーの内容を把握し、今後発展していく分野を常にウォッチして未来を想定しておくことがとても大切です。

 

 

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