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デザインシンキングのプロセスとは?事例も説明します

マーケティングや商品開発に携わっていると「デザインシンキング(デザイン思考)」という言葉を良く耳にするのではないでしょうか?

新規事業や何かイノベーションを起こそうとする場合に、この考え方や手法が用いられたりします。ここでは「デザインシンキング」の基礎的な知識やステップをご説明させてもらい、メーカーでは実際にどう活用されているのかをご紹介していきたいと思います。

 

Contents

「デザインシンキング」のプロセスとは?

はじめにデザインシンキングとは、創造性を経営に反映させる方法論のひとつです。

デザイナーが新たなモノを考えるときの思考プロセスをビジネスにもってきています。イノベーションを創出し、多くの人に魅力を感じてもらえるモノやサービスを創出して事業を拡大させるために大切な考え方とされています。アメリカのデザインコンサルティング会社IDEO(アイデオ)がこの考え方を発信し、世の中に知られるようになりました。

デザインシンキングは、「技術中心」ではなく「人間中心」になります。技術中心では新しい技術を開発して、新しい価値を生み出してきました。しかしイノベーションは、人間を中心とした社会の中であらわれる様々な課題の発見と解決から生まれます。そこで、人に寄り添い課題を見出すことがイノベーションの源泉になる、人間中心という考え方が注目されました。

<デザインシンキングのステップ>
いくつかの考え方がありますが、代表的な5ステップを紹介します。

① 共感(Empathize)
まずユーザー理解がとても大切です。ユーザーがどんな人でどんな価値観で、どんなことに困っているかなどユーザーを知り共感する必要があります。そのためにヒアリングや行動観察、ユーザーと同じ体験をするという方法があります。これがスタートです。

② 問題定義(Define)
問題定義とは、共感をスタートとして問題の枠組みをとらえなおすということです。共感マップやカスタマージャーニーマップを活用して、共感で集めた情報を整理して意味づけをします。そこから何に取り組むか問題を言語化して、みんなが同様の理解をすることが必要です。

③ 発想(Ideate)
特定した問題に対する仮の答えを探すためにアイデア出しをします。ここでは幅広く多様なアイデアを出す必要があります。方法としては、ブレーンストーミングなどを行います。アイデア出しのときは発想と評価は分けて進めることが重要です。

④ 試作(Prototype)
アイデアの具現化です。プロトタイプがあることでユーザーへの理解が深まり、さらには一緒に解決策を模索することもできます。プロトタイプはユーザーと対話できればどんなモノでも構いません。具体的に触れるモノでも、スケッチでも、空間でも、ユーザーがイメージさえできればそれはプロトタイプになります。ユーザーからより良い反応をもらえることが重要です。

⑤ 検証(Test)
プロトタイプを用いてユーザーの実際の生活の中で評価します。改善のためのフィードバ
ックを得ることが目的になります。

検証結果に応じて、さらにプロトタイプに戻ったり、もしくは問題定義をやり直すこともあります。そうやってこの5ステップをいったりきたりしながら、どんどんブラッシュアップしていくことがポイントです。

 

デザインシンキングの事例

ベタですが「iPhone」を事例に説明したいと思います。

iPhoneの登場はそれまでにあった携帯電話の役割と概念を根本から覆しました。人々が携帯電話やPCに求めているものは何か?日々何に困っているのか?ユーザーニーズから発想した代表例です。プロトタイプは何十にも及んだと言われています。

さらには、アプリを売買するプラットフォームを提供することで、携帯電話から自分だけのマルチツールになりました。今では通話機能は、いち機能でしかなくなってしまいました。

デザインシンキングのコツ

デザインシンキングはあくまでも問題解決の方法論ですので、最終的に解決したいと思っているゴール、つまり課題やビジョンがないと得られることが少なくなってしまいます

また、アイデアを発想するという観点では自由にそして活発に、そして楽しむということが重要になってきます。そのような雰囲気を醸成しないとイノベーションにつながるアイデアは中々出てきません。

そして、最後が難しいのですが組織として取り組むことが重要なため、経営層への理解や巻き込みが非常に重要です。結果的には新規事業の創出や、世の中にないプロダクトの提供につなげていくことが必要ですので、マネジメント側への理解を求めながら進めていきましょう。

 

メーカーでの経験を通じて

メーカーにおいて全く既存にはない商品を創出したり、新規事業を生み出すときに自然と取り入れているのがデザインシンキングです。さあ、この件はデザインシンキングでやろう!ということではなく、自然とプロセスとして企業ごとに濃淡や風土はあると思いますが取り入れられていると思います。

技術主導型のメーカーでは取り組みが遅れていたりしますが、そんなメーカーですら今はユーザーを起点とした人間中心で発想をしたりしています。ユーザーの本質的な困りごとは何なのか?それを見つけるためにユーザー調査や行動観察をすることから始めますこの根っこのニーズを見つける入り口が非常に難しく、行動観察のスキルなどを身につける必要があります。行動観察には仮説を持ち込まずにありのままを記録して理解する。などこれ自体がスキルになります。(ここでは詳細は割愛します)

そして得られた結果から問題定義をしてアイデア出し、プロトタイプを作る。この3つの作業はぐるぐると回しながら複数のアウトプットを出していくことが多いです。そして、その複数のアイデアを具現化したプロトタイプを用いて評価をします。その評価結果から方向性を絞って、絞ったアイデアをさらにブラッシュアップしていく進め方が多いです。ここでプロトタイプのレベル感について補足します。ここではスピードが何より大事です。よくプロトタイプを作るために丁寧に時間をかけて、見栄えのよいしっかりしたモノを作ろうとしすぎてしまいます。紙でも段ボールでもスケッチでもよく、伝わればOKです。それよりも早くフィードバックを得て何度もこのデザインシンキングを回すことのほうが大事で、そのほうが早くゴールに近づけることになります。

まとめ

デザインシンキングは、マーケティングや商品開発のプロセスを実践で学びながら自然と身につけていくという印象です。

きちんとこのステップに沿ってというよりは、起きた事象に応じてどこまで戻るのか、何に注力して考えるのか、様々な展開になっていくことのほうが多く、その場その場で対応していきます。大枠のことを理解して抑えておきながら、柔軟に思考を対応できるようにしましょう。

 

 

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