ここでは、ロングテールとは何か?という概念の理解と、ビジネス上でロングテールの使われる場面について見ていきます。更に、ロングテールの仕組みを活用した企業事例についても紹介していきたいと思います。
分かりやすいよう、図を使って説明していきます!
Contents
ロングテールとは? 意味・事例
ロングテールとは、販売数量の少ない商品や単価の低い顧客から積みあがる売上・利益を最大化して、全体の売上・利益を大きくすることを言います。
ロングテールに関わるパレートの法則
まずは、ロングテールに関わるパレートの法則について、説明していきます。
パレートの法則とは、全商品の内20%の商品が売上全体の80%を占める、全顧客の内の20%の顧客が全顧客の売上の内の80%を占める、などの現象ことを言い様々な場面で当てはまる法則です。
2:8の法則という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、これらはパレートの法則から成っており、社会現象などもこれらに該当してくることからもビジネスだけでなく、広く知れ渡ってきました。
ロングテールとは
ロングテールは、パレートの法則で重視されていなかった売れ筋ではない部分に注目をした考え方となっています。パレートの法則では、2:8の2割の部分をヘッド、8割の部分をテールと呼びます。
このテール部分を限りなく伸ばしていくことで人気商品の売り上げを上回る売り上げを実現しようという考え方から「ロングテール」と呼ばれています。
このロングテールという考え方は、アメリカで創刊されたビジネス、インターネット、カルチャー等を扱う雑誌WIRES(ワイヤード)の編集者であるクリス・アンダーソンによって提唱されました。
Eコマース
ロングテールが注目されてきた理由について、説明していきます。
ロングテールはあまり売上げの良くない商品も品揃えして、それらの売上を伸ばしていくという考え方ですが、Eコマースの到来が深く関係しています。
リアル店舗とEコマースの大きな違い、それは在庫の持ち方にあります。リアル店舗では、テール商品も店舗に品揃えする必要があります。一方で、テール商品を店舗に並べることで、売り上げの8割を占めるヘッド商品の売上が減るという現象が発生してきます。また、チェーンストアの様なお店の場合、その差は更に大きくなってしまいます。
一方で、Eコマースの場合はインターネット上に商品を掲載することができるため、在庫は1か所にまとめて管理することができ、必要最小限の在庫だけをまとめて管理することができます。そのため、実店舗と異なり、必要最小限の在庫だけを持っておくことができます。
また、リアル店舗の場合、商品理解や顧客説明などが必要となります。一方で、WEBサイトでは、インターネット上で取引が完結する為、人件費等のコストが少なくて済みます。
ECサイトにより、人気商品の販売機会を失うことなく、コストを増加させずに売れ筋でない商品の売上・利益を積み上げることが可能なのです。
Amazonの事例
アマゾンの事例を見ていきます。
書籍の中には、ベストセラー商品から専門書などのニッチな商品まであります。リアル店舗の場合はベストセラー商品の販売に注力をおく必要があるため、専門書などのニッチ商品は返品されていく傾向があります。これらの書籍は、店舗では置いていないことが多く、顧客は出版社に取り寄せる必要が出てきます。
一方で、アマゾンには販売数の少ない商品も掲載されています。年に数冊しか売れなかったとしても、その商品の積み重ねによって利益を得ていくことができる為です。
アマゾンは、このような形で利益を生み出しています。
「ロングテール」のコツ
ここでは、Eコマースの到来によるテール商品の販売に注目が集まっていることを紹介してきましたが、Eコマースでは新商品やヘッド商品の注目度が低いということではありません。Eコマースでも、売れ筋商品の売り上げを伸ばすことを忘れないようにしましょう。
Eコマースには、在庫を集中保管できる良さがあることに触れてきましたが、在庫管理や物流の仕組みは大切です。デジタル書籍等の商品であれば良いですが、過剰在庫や在庫不足はもちろんですが、Eコマースの特徴となっている直ぐに届けるために複数の倉庫で保管するなどをしていては。Eコマースの効果が減少してしまいます。適正な在庫管理は重要となります。
ロングテールの考え方を理解して、売上・利益の最大化を図っていきましょう。
メーカーでの経験を通じて
実店舗での販売と直販でのECサイトでの両方の販売網を持つメーカーでは、実店舗に向けた倉庫での在庫管理もしながらECサイトへの商品手配も行っています。古くからあるメーカーでは、卸業者や販売店との強いコネクションがあることで、なかなかECサイトに注力しにくい企業もあります。
当然、ECサイトの方が店舗費用や人件費がかからず、顧客への販売価格も下がります。一方で、顧客への商品説明が十分にできないことも多々あるため、クレームや問い合わせなどに繋がることが増える傾向にあります。
事業全体の強みや自社の持つリソースを理解して、テール商品の立ち位置を決めていく必要があります。
まとめ
ヘッド商品はもちろん重要ですが、テール商品は在庫の持ち方、販売方法により大きな売り上げに繋げる可能性を秘めています。過去の商品が今の時代に人気に出るなども多くある為、ECサイトを活用しながら、テール商品で売り上げを高めていきましょう。
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