思考

『ディシジョンツリー』例を交えて分析の書き方を説明

あー、直近発生した目先の仕事と後に控えている大型の仕事、社内リソースの関係で案件を絞らないといけない・・・そんなシーンありませんか?

そんなときの考え方のひとつとしてディシジョンツリーを紹介します。しかし、結論から言うと概要だけ知っておけば十分という思考法です。

 

Contents

「ディシジョンツリー」って何?

ディシジョンツリーとは、意思決定者が取り得る選択肢と起こり得る出来事やその発生確率、得られるリターンを樹形状に表わした分析ツールで、最も有利な選択肢を明らかにすることができます。

 

ディシジョンツリーの事例

例えば、直近発生した目先の仕事Aと後に控えている大型の仕事B、どちらを優先すべきかを意思決定する際に画像のような樹形状に表わして分析をします。

仕事Aを選択すると、80%の確率で12億円得られます。一方で20%の確率で失敗し3億円損をします。仕事Aを選ぶときの期待値は9億円です。

仕事Bを選択すると、40%の確率で40億円を得られます。一方で60%の確率で失敗し15億円損をします。仕事Bを選ぶときの期待値は7億円です。

どちらを選ぶと得でしょうか?仕事Aのほうがリターンが大きいのでAを選んだほうが得ということになります。

ディシジョンツリーのコツ

上記で説明したように、将来起こる不確実な出来事によって、得られる結果が定まらないというシーンでの意思決定に役立つのがディシジョンツリーです。どの仕事を優先すべきか、どのプロジェクトに注力すべきかなどのシーンです。そのようなときのコツとして以下のようなものがあげられます。

●選択肢や事象はヌケモレ・ダブリがないように!

ヌケモレ・ダブリは正しい意思決定の妨げとなります。

●事象の順序、確率やリターンの的確さが重要になる!

これを誤ってしまうと期待値が異なってしまい、的確な比較や検討ができなくなります。

●期待値の大きい選択肢が必ず最善ではないということもある!

意思決定を取り巻く外部・内部環境をよく見て、適切な選択肢を選ぶことが重要です。

 

メーカーでの経験を通じて

ビジネスをしていると自然とこのように枝分かれする事象を整理して、判断材料をそろえて、判断をしていくということは当たり前にあるので、「ディシジョンツリーでまとめてみよう!」みたいなシーンはまずありません。

この思考法で最も大事なことは、不確実性の高い内容についてリターン額やその発生確率を定量化するところにあります。この精度をいかに高められるかなので、メーカーで戦略や投資の意思決定をするときには、この定量化をするところに全力投球をするというイメージです。この定量化のためにあらゆる調査、分析、エビデンスを揃えていき、その作業自体が最も大切なのです。それさえ精度高く集まれば意思決定なんて誰がやっても同じだからです。ですが、それが中々難しく精度高く定量化ができないのである程度の判断材料で意思決定を行うのが経営者の役割なのです。

まとめ

以上のように、思考法自体はおおまかに知っておいて損はないと思います。

その上で、定量化に全力を注ぐことが重要であること。また、もう少し俯瞰するとこの思考法自体は不確実性があまり高くないつまりリターンや発生確率を比較的推定しやすい業界(製薬など)などでの意思決定で役立つということも知っておくと良いと思います。

 

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