ネットワーク経済性とは、SNSなどの通信事業において、参加者の増加により個々の参加者の利便性が増すことを言います。この、ネットワーク経済性は、アメリカの電話会社のベルテレフォン社長のセオドアベール氏によって、提唱されています。
ネットワーク経済性は、「ネットワーク外部性」、「ネットワーク効果」とも呼ばれ、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどのSNSでは、この特徴を活かした活用がされています。
このネットワーク経済性を理解して活用することで、ネットワーク型サービスの戦略立案に役立てることができますので、これからネットワークビジネスを考えている方は是非、一読ください。
Contents
ネットワークビジネスで欠かせない「ネットワーク経済性」とは?
ネットワークサービスでは、サービスの参加者数がN人とするとその管理コストは比例して増加しますが、便益は、参加者数の2乗となります(N×N)。そのため、100人のコミュニケーションが発生すると100×100=10,000もの利便性になります。
参加者自身は、そのネットワークの便益を高めるために参加しているのではありませんが、自然とその効果が得られます。
ネットワーク経済性では、市場に早く参入することでのアドバンテージが得られ、多くの利用者を獲得することができます。その結果、市場でのデファクトスタンダードになり、高い収益を得られるようになります。
結果として、ネットワークサービスの提供者は、参加者を増やし、サービスの競争優位を確立できるようになっていきます。
正のフィードバック
ネットワーク経済性がうまれると、「正のフィードバック」というループが回り出します。考え方で触れたように、参加者が増加する→利便性向上→参加者増加→・・・というようなループとなります。
この循環が回り出し、利用者数が一定数を超えると一気に効果が高まるということに繋がります。この効果が高まるポイントを「クリティカル・マス」と言います。
正のフィードバックの効果によって、このクリティカル・マスを突破し、サービスの利便性を更に高めていくことができます。
ネットワーク経済性の事例 メルカリ
2013年にアプリを開発したメルカリが好事例としてあげられます。洋服や雑貨など多岐にわたる商品を販売しています。このメルカリは、TVCMを打ち出すことで、徐々に認知や利用者数を増やし、ダウンロード数がある一定数に達した時点で爆発的に増加しました。
今では、利用者の中で収益化がされ頻繁に行われることで、メルカリ自体の知名度や利用の定着に繋がっています。
先ほどの「クリティカル・マス」を突破することで、これまで主流だったオークションとは異なる形が流行しました。
この様に、魅力的なサービスと、ユーザー拡大の施策で、ネットワークの価値を高めていくことができます。
ネットワーク経済性のコツ
ネットワーク経済性では、クリティカル・マスという急激に効果が見込める部分について触れてきましたが、提供するサービスそのものが「魅力的であること」が重要です。一定の価値があるサービスであるからこそ、ユーザーが増えてサービスの利便性が増していきます。
また、成功してデファクトスタンダードとなった場合、大きな収益が得られますが、定着したとしても、より優れた代替品でその地位が脅かされることはあります。今、流行っているTwitter、Instagram、メルカリなどについても同様です。ここに対して、ネットワークが小さくとも独自性のサービスの価値を高められる場合もあります。
ネットワーク経済性をはじめ、定着させていくためには、常にサービスの価値を高める努力が必要です。
ネットワークビジネスは、信頼で成り立ちます。この信頼を築くには、時間がかかりますので、根気強く取り組むようにしていきましょう。
メーカーでの経験を通じて
ネットワーク経済性という呼び方はせずとも、個人と個人の繋がり(ネットワーク)の重要性に対する意識は一気に高まってきていますが、ネットワーク経済性を考える上では、その価値が第一にあることを理解して進める必要があります。
もし、これを見ている方で価値が明確になっていないが、「流行っているからSNSを立ち上げようしている」という方がいれば、まずは、価値を明確にすることをお勧めします。そこに掛かるアプリ開発資金とユーザーが求める価値が明確になっていない状態では踏み込むべきではありません。アプリ開発を何千万円かで立ち上げた後、その告知に更に何千万円という費用が掛かる。それを回収するだけの利益を生むかという視点も欠かせませんが、それ以上に、ユーザーにとっての価値が重要です。
当たり前のことのように聞こえますが、流行に目が行く時にこそ、お客様視点で考えましょう!
まとめ
ネットワーク経済性とは、参加者が増えれば増えるほどネットワークの価値が高まっていきます。活用されることで、その利便性も高まり、ある一定数に達すると、一気に認知や利用者数が増加します。
立ち上げながらスタートを切るという考え方もある一方、利用者への提供価値が定まっていない場合は、立ち止まるって冷静になることも必要です。
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