マーケティングにおけるポジショニングとは、ターゲット顧客にどう認知してもらうかを決めるものです。
どんなに優れた商品であっても、その魅力を認知いただかなければ、その商品が売れることはありません。ポジショニングを明確にすることで、競合との比較や自社の立ち位置を確認することができます。
Contents
「ポジショニングマップ」って何?
顧客に自社製品の魅力を伝えようとしたとき、色々な特徴を説明したくなりますが、自社の製品や他社製品が魅力としている特徴を2軸のポジショニングマップで表します。
ポジショニングマップでは、自社や他社の商品特性の中から、訴求ポイントを2つに絞ることが必要となります。
次に軸の選び方について、紹介しておきます。
自社製品の特長を洗い出す
まずは、自社製品の特長を洗い出すことからはじめます。
ここでは、機能だけでなく、特徴を含めて洗い出します。その商品が基本性能として持っているものに加え、付加価値としての特徴などを示し、例えば、ハンドクリームであれば、「手が潤う」だけでなく、「花の香りがする」などという付加価値などがこれにあたります。
その他にも、「べたつかない」「手を洗っても潤いが続く」…など、様々な視点から出していきます。
顧客ニーズに訴求するポイント&表現を選ぶ
メーカーや企画開発者にとっては、様々な特徴や付加価値があることを特徴としたい気持ちが強くなるものです。
ここは、つくり手である私も良くわかりますが、冷静に見ることが必要です。特徴が多くあることが顧客にとってのニーズであればよいですが、必ずしもそうとは限りません。
特徴が多くある(≒機能が多くある)ことで、使い方がわかりにくくなったり、顧客が求める訴求ができなくなることがあります。ターゲットユーザーの潜在・顕在ニーズにそって軸を選ぶことが重要です。
競合との差がわかりやすいポイント
軸にすべき特長を選ぶポイントとして、競合との差がわかりやすい特徴を選ぶことも重要です。
自社の製品がどんな顧客に響くのかがわかりやすくなります。顧客ニーズで見ることも重要ですが、競合視点で見て、お店が導入したくなる他との違いも見て、分析することが大切です。
「ポジショニング」のコツ
ポジショニングのコツは、市場・競合・自社の3Cの視点から見ることです。
市場でどのような動きがあるのか、競合からどのような商品を出ているか、自社はこれまでどんな商品を発売しており、それぞれ、顧客にどの様に感じられているのかという視点で見ていくようにしましょう。
実際に作成する際は、以下のポイントは抑えておきましょう。
①顧客の認識を正確に理解する
自社製品は、高品質で安いことを売りとしているつもりでも、顧客からは安かろう悪かろうと評価されている場合など、メーカーの思いと顧客の認識にズレがあることがあります。正確に理解して進めましょう!
②新しい差別化軸を考えることも大切
競合が使いやすさを求めている中、市場環境の変化を捉え、あえて環境対応に力を入れた商品をれるなど、競合と軸をずらして商品を提案することは有効的です。市場の変化・顧客が魅力を感じている点に注目して進めましょう!
ポジショニングは、マクロ環境が理解できていない状態で行ってしまうと、後々に競合から「同様の商品が発売されていた。」「顧客が全く求めていない商品について議論していた。」などが起こる原因にもなります。
一方で、ポジショニングマップをつくって仮説立てて進めることで競合を知るきっかけに繋がることもありますので、環境分析がある程度できた時点で、一度仮説を書き出してみると理解しやすくなります。
メーカーでのマーケティング経験を通じて
ポジショニングは、さっと書き出して共有できる手軽で、手軽で共通認識がしやすいために、商品企画時には欠かせないフレームの1つです。
企画開発者がフレームワークを使う中で、陥りやすい見方があります。
それは、軸の左右・上下を良し悪しで表現してしまう点です。これは、自身が考えた企画や開発している商品なだけに思いが強くなり、客観視できてい低状態に発生しがちです。
ハンドクリームを事例にあげると、「塗った後にべとべとしない」を言葉の通りに軸に表現すると、一方は、「べとべとする(≒悪い)」という表現となります。ここでは、異なる表現として「潤いが続く」などの表現とすることで、どちらもメリットのある軸となります。
見方によっては、デメリットはメリットにもなりますので、フレームワークは客観的にみるためのツールであることを理解して活用できればと思います。
また、数名で実施する場合には、その場に参加しているメンバーが共通の知識があるとは限りません。マクロ環境を共通認識して判断できるよう、ファクト(事実情報)を整理して活用できると使いやすくなります。
まとめ
ポジショニングマップを作るには、はじめに自社製品の特性を列挙します。
その中から、顧客の共感が得られて競合と差別化できる項目を2つ選んで軸に表現していき、マップ上に自社製品と競合商品をマッピングしていきます。このマッピングによって、競合と差別化できていることを強調していきます。
客観的に見て、自社製品の魅力が最も輝く軸を選んで、顧客への訴求力を高めましょう!
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