皆さん、「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いって分かりますか?簡単には、引っ張っていくことと管理することのようなイメージがあると思います。表面的にはそれでいいのですが、深く掘って理解しておくと自身がマネージャーになったときにとても役立つと思います。
普段あまり改まって意識することもないと思いますので、ここで把握してもらい使い分けてもらえればと思います。
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「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いって何?byコッター
ハーバードビジネススクールのコッター教授によると、
「リーダーシップ」とは
人・組織を動かして変革を推し進めること
リーダーシップで集団を導いて新たなルールや仕組みを作っていきます。
具体的には、不確実性の高い状況において長期ビジョンを示すこと、ビジョンを示してメンバーをまとめること、メンバーの動機付けを行うこと、といった内容になります。
「マネジメント」とは
定められた戦略やルールに基づいて効率的に組織を運用すること
具体的には、短期的計画や予算の立案をしたり、組織構造の設計/人員配置をしたり、予算や実績管理をしたり、といった内容になります。
リーダーは、「リーダーシップ」と「マネジメント」の両方が求められます。
「リーダーシップ」と「マネジメント」の使い分けってどうするの?
これは状況によって変わります。
まず、不確実性が高い中で新しいチャレンジをする状況で考えてみます。
中長期のビジョンを描いて、メンバーへ共有し、やる気を引き出すことが必要です。リーダーシップを発揮しながら人や組織を動かして、トライ&エラーしながら変革を推進して、戦略やルールを作っていきます。
一方、通常の業務において確実性が重視される中でリーダーの役割を担う場合を考えてみます。
この場合、計画を立てて、メンバーの活動を管理して、業務を進めるのが効率的です。運営という要素が強くなり、マネジメントで人や組織を管理していきます。
以上のように、「リーダーシップ」と「マネジメント」は目的や状況に応じて使い分けていきます。
「リーダーシップ」と「マネジメント」のコツ
■「リーダーシップ」と「マネジメント」は、部下の仕事の習熟度に応じて使い分けることが重要です
①習熟度がかなり低い場合
具体的に指示を与えて管理する「指示型」が良い。
②習熟度が低い場合
指示を与えつつも部下の意見も取り入れて進める「コーチ型」が良い。
③習熟度が高い場合
部下のモチベーションを上げながら部下の意見・能力を尊重し、達成支援をする「支援型」が良い。
④習熟度がかなり高い場合
部下に対して、自由度高く権限を委譲する「委任型」が良い。
4つのスタイルを比べてみると、部下の習熟度が低いほどマネジメント機能が、部下の習熟度が高いほどリーダーシップ機能が重要視されます。
部下の習熟度によって、リーダーシップとマネジメントを使い分けることが重要であることが分かります。
■「リーダーシップ」と「マネジメント」にどちらが優れた機能ということはない
優劣はありませんが、現在はどちらかというとリーダーシップが注目されている傾向があります。その理由として、昔は部下はマネジメントするものという印象が強くありました。しかし、マネジメントだけではうまくいかなかったという反省から、リーダーシップが生まれたという背景があるからです。ですが、実際にはリーダーシップとマネジメントはどちらも重要です。両スキルを身につけ目的や状況に応じて使い分ける必要があります。
このように使い分けということはありますが、本来リーダーが達成すべきこと自体に変わりはありません。例えば、課題を特定し人的ネットワークを構築しながら課題を解決していくということはリーダーシップでもマネジメントでも同じです。あくまでも違いは目的を達成するための、具体的な手法であることを理解しておきましょう。
メーカーでの経験を通じて
「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いは上記の内容を読んで頂くことで理解して頂けると思います。しかし、実際に会社で働いているリーダーを見渡したときにこの2つの違いを理解して、使い分けを実践している人は本当に少ないのが実態です。
先ほど習熟度によって4つの型をご紹介しましたが、本来はこれを使い分けるべきなのですが、自分自身が得意な型をどんな習熟度の部下に対してでも使っている、というリーダーのほうがとても多いです。自分はこういうマネジメントスタイルだからなー、とひとつの型で全てに対応しており、柔軟な対応ができていないと感じます。
これは、昔ながらのマネジメントスタイルで教育されたことを経験してきた50代以上の人に多い気がします。しかし、これからはこの2つをうまく組み合わせられるリーダーが必要とされています。反面教師にしながら、今のうちに理解して実践できるようにすると良いと思います。メーカーでモノづくりをするに当たって、大きなビジョンを達成するためには多くの人の助けが必要であり、チームで成し遂げる必要があります。自身がリーダーである場合は特にですが、このリーダーシップとマネジメントの使い分けがうまくできるかによって、目的の達成が決まると言っても過言ではありません。
まとめ
リーダーや管理職の役割を与えられてまず悩むポイントがこのリーダーシップとマネジメントだと思います。自分はどんなスタイルなのだろうか、とスタイル探しをしてしまいがちです。そんなことは必要なく、目的に応じて、メンバーの習熟度などに応じて臨機応変に対応できるリーダーが求められています。
リーダーの仕事は組織やチームの力を最大限に発揮して目的を達成することにあります。リーダーシップとマネジメントはその目的を達成するための手段でしかないということを改めて理解してもらいながら、うまく使い分けられるようにしてください。
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