思考

エクセルを使った「回帰分析」の作り方・見方を解説!

マーケティング業務の中で、「入学シーズンだから、生産量・販売量を増やそう!」というような話は当たり前のようにされることがあると思いますが、その推測は本当に正しいでしょうか?

もちろん、販売マーケティングとしての経験やスキルによっては大きく外れることなく、設定できるかも知れませんが、その経験が無くとも、定量化された関連する条件の関係を見て「回帰分析を活用」することで、経験がなくとも見込みを立てることが可能となります!

ここでは、そのような分析に役立つ、回帰分析について「回帰分析とは何か?」「どのような時に使うのか?」について説明していきます。

 

 

Contents

エクセルを使った「回帰分析」 ~作り方・見方~

回帰分析とは、ある変数と他の1つか複数の変数との関係を見る分析をいい、単回帰分析と重回帰分析があります。

〇単回帰分析:ある変数と1つの変数との関係を見る分析方法
〇重回帰分析:ある変数と複数の変数との関係を見る分析方法

例えば、「かき氷の販売数量は気温に関係するか」という分析をする場合、かき氷の販売数量という変数に対して、「気温」という1つの変数との関係をみていますので、単回帰分析となります。

重回帰分析の場合は、これに加えて「天気」という変数が入った場合などを表します。

続いて、具体的にそれぞれの分析の考え方について説明していきます。

 

 

単回帰分析

単回帰分析の考え方について説明していきます。
ここでは、販売数量と気温との関係についてみていきます。縦軸に販売数量、横軸に気温とおきます。この際、縦軸(Y軸)の販売数量は目的変数、横軸(X軸)の販売数量は説明変数とおいて散布図を置くと、y=ax+bの形になります。

yは「かき氷の販売」数量とすると、係数(a)に気温(x)の条件をかけたもので表現できます。この時、切片(b)は気温に左右されずに売れる数量となります。

この様に、目的変数が説明変数によって決まる割合がわかるようになります。
バラつきの少ない変数を見つけることで、予測の傾向が明確になります。

 

 

短回帰分析 エクセルを使った回帰分析の方法

まずはじめに、①目的変数と説明変数を入力した表を作成します。
その後、②作成した表を選択した状態で、「挿入タブ」にある散布図を選択して図を作成します。

次に、グラフの右にある「+」マークより、③「線形近似」をクリックしてグラフに分布の関係を表す線を追加します。この数式を知りたい場合は、④「その他のオプション」より、「グラフに数式を表示する」にチェックします。

必要な情報をチェックすることで、グラフに追加することができます。

 

 

重回帰分析

重回帰分析は、かき氷の「販売数量」に対して、「気温」と「天気」という複数の情報を掛け合わせた場合にどのような傾向となるかを分析する方法です。気温は、単回帰分析と同様に定量化された数値で表せますが、天気は「晴れ」や「雨」などの文字情報となります。

この様な情報は、晴れた日を「0」雨の日を「1」というダミー変数に置き換えて計算していきます。重回帰分析では、y=a1x1+a2x2+…+bという計算式で表すことができます。

この際の目的変数はyで「販売数量」を表し、説明変数x1は「気温」、説明変数x2は「天気」を表します。重回帰分析を行うことで、2つの説明変数による傾向がわかります。

 

 

回帰分析を活用する場面

どの変数に関係があるかを明らかにすることで、施策検討に活かすことができます。

想定していた関係に相関が無い場合は、他による影響があることが考えられるため、打ち手や原因の追究に活用できます。

また、変数間の関係を知ることで、知りたい情報の予想ができるようになります。これまで積み上げてきた情報をもとに、変数同士の関係を導くことで、将来を予想して進めることができます。

 

 

回帰分析のコツ

分析の前提条件を揃えておくことが必須となります。

ベースとして使用するデータには同じ店舗で得られた実績のみを活用しなければなりません。立地などの条件が異なる店舗や姉妹店の情報であっても同一データとして扱うことはできませんので、その点は注意が必要です。

有効な変数がいきなり見つかる可能性は低いです。

有効な組み合わせを探る際には、様々な条件で検討する必要があります。

この点に注意して活用してください。

 

 

メーカーでの経験を通じて

回帰分析は、例にあげてきたように販売分析に活用することはもちろん、化学メーカーなどでは、処方設計によるサンプルの分析をする際、原材料の比率をどの程度変化させると、どの程度の効果があるかなどという分析、設計値と製造不良の関係から、不良率を低減させて生産効率・コスト低減に役立てるなど、広範囲で活用できる分析です。

統計学に近い分析という点もあり、比較的、技術開発面で活用されるケースが多く見られますが、だからこそ、マーケティングで活用することで、他社(他者)にはない強みとなる可能性も高いと感じます。

分析手法の1つとして、理解して活用できると強みになります。

 

 

まとめ

回帰分析は、ある変数と1つの変数との関係を見る「単回帰分析」と、ある変数と複数の変数との関係を見る「重回帰分析」があります。この分析を活用することで、無駄なく効率的に予測することができる可能性があります。

 

 

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