思考

「感度分析」で、打ち手の「効果」を高めよう!

感度分析とは、1つの因子の数値が変動した時に、連動して動く数値があるか、どの程度変動するかを見るものとなります。

この数値の「振れ幅」や「振れ方」を見る分析手法です。数値化して比較や検討をする場面で役立つ分析方法となります。

 

Contents

感度分析とは?

ビジネスシーンでは、数値で算出できるものが多くあります。

例えば、売上高=顧客単価×顧客数となります。この計算でもわかるように、売上高が高まっているということは、顧客単価、または顧客数が高まっているためです。ネットショップでの購入数についても同様で、ネットショップ売上=アクセス数×購買率×売上単価となります。

これらの様に、ビジネスの数値を計算式で表し、それに含まれる数値の変化を見ながら、最終的に振れ幅を分析するものが感度分析です。

 

 

感度分析の方法

感度分析をするにあたり、データをモデル化していきます。

1商品の利益率を計算する際、売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100で計算できますが、これに実際の数値を当てはめていきます。

この際、どの因子が変化したらどの程度寄与するかという知りたい情報が入っていることが重要となります。実務場面に合わせて式は変化させる必要があります。

 

モデル化した後、連動する振れ幅を見ていきます。
先ほどの式の中で、売上高の変化がどの程度変化に影響するかを見ていくには、仮に現状の売上高が200万円であったとすると、倍の400万円にすることで、売上総利益率にどの程度寄与しそうかという見方ができます。

この際、他の因子は固定されているものと想定して計算します。
その結果、どの程度売上高を伸ばせば目標の総利益率に到達するかがわかります

 

 

感度分析の応用

ベストケース・ワーストケース分析

感度分析を応用すると、ベストケースとワーストケースを想定することができます。これは、新商品の計画や事業計画する際に用いられることが多いですが、各因子の条件が良い条件の場合の悪い条件の場合を想定します。

これにより、新商品や事業を着手する前にどの程度の振れ幅(リスク)があるかを理解して進めることができます。

この際、注意すべき点は、やみくもに数値を変動させるのではなく、現実的な範囲で、最高値と最低値を設定することが重要となります。

 

トルネードチャート

感度分析の応用としてトルネードチャートが使用されることもあります。トルネードチャートという名前は、竜巻上のチャート形状になることから、名づけられています。ベストケース・ワーストケースで分析した各因子の内、影響力の大きい(振れ幅の大きい)因子を上から順に並べていきます。この見方をすると、最も上の因子の影響度が高いことがわかります。

トルネードチャートによって、最も振れ幅に影響を与えやすい数値を見出すことができます。

 

 

感度分析のコツ

ベストケース・ワーストケースを把握するために各因子の数値を動かす場合、現実的に発生しうる範囲で動かします。現実と離れた数値を当てはめてしまうと、意味のない分析になってしまいます。数値の動かく範囲の可能性は、一般的に5~10%の線で起こる確率の80~90%をカバーする想定です。

 

 

メーカーでの経験を通じて

感度分析は、新商品企画や開発時にはフェルミ推定と併せて活用、既存商品の収益改善時には、売上や利益を改善するためなどで活用します。

活用するには、まずはモデル化が必要ですので、収益構造や販売構造等を理解する必要があります。企画開発の仕事をしていると、案外軽視されがちなのが構造理解です。一般的な構造だけでなく、自社での構造も理解して進めることで、感度分析を活用できます。

周囲が苦手としている部分を得意としていると、一目置かれる存在になります。感度分析はその1つでもあり、身につけておくとよい手法です。

 

 

まとめ

感度分析は、「結果の変動幅」と「結果に最も影響を与える数値」がわかります。この分析によって、結果に最も影響を与える数値に対処できるようになります。

 

 

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