組織・リーダーシップ

「コンフリクトマネジメント」とは?分析から処理までを解説

皆さん、組織や人間関係って難しいですよね?

そこで発生する対立や軋轢(コンフリクト)に対処する方法について知りたい、または所属している組織において円滑なチームワークを実現したいという人にオススメの「コンフリクト マネジメント」という考え方および方法を説明していきたいと思います。

 

Contents

「コンフリクト マネジメント」とは何か?

コンフリクトとは、
相反する意見や態度、要求などが存在し、お互いに譲らないことで緊張状態が生じることを言います。

一般的には、コンフリクトと聞くとネガティブなことがイメージされます。例えば、コンフリクトによって職場の人間関係に悪影響が出る可能性があったり、情報が正しく伝えられないことで業務が円滑に進まないということなどがあります。しかし、コンフリクトにはポジティブな影響もあります。例えば、コンフリクトのおかげでこれまで見えていなかったような本質的な課題を発見することができたり、課題を解決するための新しいアイデアが発想されるということなどがあります。

つまり、コンフリクトとはネガティブなことだけではなく、マネジメント次第では組織の成果を高めることにもつながります。

 

 

「コンフリクト マンジメント」ってどうするの?

ここからは、コンフリクトをマネジメントするためにはどうすれば良いのかを説明します。

コンフリクトのマネジネントは、
1. 状況の分析
2. コンフリクトの処理
の2つのステップで行うと言われています。

1. 状況の分析では、以下4点を考えます。
① 個人および組織への効果
② コンフリクトのパターン
③ 問題の性質
④ 根底にある要因

2. コンフリクトの処理では、以下のようにして対応します。
交渉する・制御する・対峙する という方法を用います。

ここで重要なことは、いきなりコンフリクトの処理を行うのではなく、まずは状況を分析してそして理解することです。

1.状況の分析 ①個人および組織への効果

コンフリクトの影響は、プラス面とマイナス面があります。

<プラス面>

・率直な意見を言い合える環境づくりのキッカケとなります。それにより職場の活性化につながり、またコンフリクトを解消できれば、お互いの関係をより強固なものにすることもできます。

・新たな学び、気づき、アイデアを生み出すこともあります。コンフリクトにより、お互いが相手の視点や意見から学んだり、一人では気づけなかった考え方やアイデアに気づくこともあります。そこからお互いが成長し、組織にもプラス影響を与えることができます。

 

<マイナス面>

・メンバーが不快な感情を経験することになります。率直な意見を言い合うことは、時に相手の人格を否定することにつながってしまうこともあります。そうなってしまうと当事者はとても不快な感情を残してしまいます。

・場合によっては、当事者の怒りなどが職場の他のメンバーへも悪影響を及ぼして、組織全体が悪い雰囲気に陥ってしまうこともあります。

以上のように、コンフクリトのマイナス面だけではなくプラス面にも目を向けながら、コンフリクトの影響を考えるようにすることが大事です。

 

1.状況の分析 ②コンフリクトのパターン

まず、コンフリクトが起こるキッカケとなった行動が何だったかを考えます。

・どんな出来事がコンフリクトを引き起こしたのか?
・その出来事に当事者がどのように反応したか?
・どのようにコンフリクトが深まったのか?

このような点に注目します。

その上で、相違点の表現へ目を向けます。

・当事者が相違点をどう表現しているかを分析する
・些細な動作から、表面化していないコンフリクトを把握することができるので細かい点にも注意が必要です

コンフリクトのパターンをつかんで原因を探ることで、対処方法を考えられるようになります。

 

1.状況の分析 ③問題の性質

2者間の問題を分析する方法として、実質的問題と感情的問題を考えます。

実質的問題:組織上の問題に関する問題(ルール、予算配分、責任権限など)

感情的問題:相手に対する個人的な考え方や感情に関する問題

組織では感情的問題が実質的問題へとすり替えられてしまうことがあります。また、実質的問題が長引くことで、相手に対してネガティブな感情をもち感情的問題に変わっていくこともあります。

注意が必要なのは、感情的問題は実質的問題として表面化しやすいということです。そのため、状況を分析するためには、両者を切り分けて考えることを意識することが必要です。

 

1.状況の分析 ④根底にある要因

コンフリクトの根底にある要因としては、外部要因と個人的要因があります。

外部要因とは、当事者を取り巻く環境による要因です。例えば、仕事の納期へのプレッシャーや人員または予算の制限といった、当事者にストレスを与えるような環境がコンフリクトを引き起こす場合があります。

個人的要因とは、当事者個人の内面による要因です。例えば、個人の感情や仕事への考え方、またはストレスの感じ方など、外部の環境に対してどう感じるかの違いなどがコンフリクトになる場合があります。

以上、ここまで説明したように状況の分析の①~④を通じて、コンフリクトの要因がどこにあるかが明確になります。そうすると、どの要因を変えれば対処できるかが分かります。

 

2.コンフリクトの処理

状況の分析ができたら次はコンフリクトを処理するステップになります。コンフリクトの処理の仕方は、交渉する・制御する・対峙する、の3つのがあります。

交渉する:対立する2者間で妥協できる点を探ることです。双方が納得する妥協点を見つけることができるかがポイントです。

制御する:対立する2者間の関わり方をコントロールすることです。双方が関わらないようにしたり、環境要因を変えることで解決することを目指します。

対峙する:対立する2者間の理解を促して、認識を変えさせることです。建設的に前向きに双方と粘り強く向き合い理解しあうことで、コンフリクトの解消を目指します。

これら3つのどれが良いかは、コンフリクトの場面によって変わります。そのため、分析した状況に合わせて対処方法を選ぶようにしましょう。

 

「コンフリクト マネジメント」のコツ

コンフリクトは、組織の中で必ずと言っていいほど起こるものです。コンフリクトは避けたいと思ってしまいますが、避けていると長い目でみるとかえってコストがかかってしまうこともあります。コンフリクトを避けるばかりではなく、対処する方法を身につけることが望ましいです。

コンフリクトの対処において、最適なやり方があるというわけではありません。コンフリクトに対処するには、あらかじめよく考えた戦略を複数持ち、状況にあった方法を選べるようにすると良いです。

コンフリクトに向き合う方法を身につけることで、より良い組織づくりができます。

 

 

メーカーでの経験を通じて

組織の中にいるとコンフリクトは本当につきものです。メーカーにおいて、コンフリクトを避けてばかりいると本当に良いモノづくりができなかったりします。組織が大きかったり、歴史の長い企業にありがちですが、部門間の連携や派閥があったりします。このようなことはモノづくりをしている現場の私たちには全く関係ないのですが。コンフリクトにより物事がうまく進まず業務が手戻ってしまったり、妥協せざるを得ないというシーンが出てきます。

よって、このようなときにリーダーはコンフリクトをマネジメントする必要があるのです。しかし、実態は先ほどご説明したような対立や軋轢はリーダー同士が生み出していることがほとんどです。良いモノづくりをするためには、リーダーがコンフリクトへ対処するという意識がとても大切です。対立する誰かを見るのでなく、現場で頑張ってくれているメンバーそして顧客のために生み出すモノ(商品)のためにコンフリクトに向き合いましょう。

 

 

まとめ

上述もしましたが、コンフリクトにいきなり向かおうとしてはいけません。状況の分析をきちんと行ったのちにコンフリクトの処理に進むようにしましょう。正直コンフリクトの処理はかなり骨が折れる作業です。モノづくりの現場のメンバーにはあまり関係がなく、マネジメント側の役割だと思うようにしましょう。そのためにも、日々言いたいことが言い合えるヘルシーファイトな議論ができるような雰囲気づくりを醸成するようにしましょう。

 

 

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