思考

フェルミ推定とは?電柱の例題を用いてやり方を徹底解説

皆さん、フェルミ推定という言葉を聞いたことがありますか?マーケティング歴が長い人なら馴染みがあって、よくやっているという人もいるのではないでしょうか?

例えばこんなときに。

ノートの市場規模は〇億円と試算が公表されているものがあるけど、「リングノート」だけの市場規模を知りたい。または、最近マスキングテープが流行ってきて市場を形成してきているけど、「デザインマスキングテープ」の市場規模ってどれくらいあるのだろうか?上司に聞かれた、商品企画会議できちんと定量的データでプレゼンテーションをしたい、こんな時に活用できるのがフェルミ推定になります。

 

Contents

「フェルミ推定」とは?やり方の前にまず目的

フェルミ推定とは、

●正確な数値がすぐに分からないときに、比較的入手しやすい情報等をもとに概算値を推計する思考法

●新規事業を始める際の潜在市場規模など、不確実な要素の多いなかで素早く数値を求めたいときに役立つ

入社試験で、「日本に電柱は何本あるか?」という質問から、ロジカルな思考ができるかを問うような課題があったという話を聞いたことがある人もいると思います。

 

フェルミ推定の事例

例えば、先ほどの「日本に電柱は何本あるか?」をフェルミ推定で試算してみます。

求め方は重要ではありませんので、こんな解き方もあるんだ程度に見て下さい。重要なことは、すでに知られている数字やおおよその数字を概算しながら、近い答えを論理的に導くことです。

  • 電柱は都会と田舎では量が違う。日本全体を都会10%、田舎90%と仮定する。
  • 面積あたりの電柱の本数。都会は50m歩けば1本あるかという感覚から2500m²に1本、田舎は150m歩けば1本あるかという感覚から22,500 m²に1本とする。
  • 日本の面積は=380,000km²なので①から都会の面積=38,000km²、田舎の面積=342,000km²

※日本の面積自体も分かっていないということもあると思います。これ自体もフェルミ推定で試算すれば良いのです。僕は東京⇔大阪間をよく移動するので、直線距離で400kmくらいだったかなという想定(この想定は人それぞれでOKです)から、仮に日本を長方形だとすると、横は東京⇔大阪間の3倍くらいあるかな、つまり1,200km、縦は日本地図を想像すると東京⇔大阪間よりは短いから300kmと想定してみよう。すると、1,200km×300km=360,000km²となり、おおよそ近い値を求めることができます。

  • 面積当たりの電柱の数は、③/②をして都会の本数=15,200,000本、田舎の本数=15,200,000本となり、合わせると30,400,000本と答えることができます。

実際には、34,071,436本(2016年時点)というデータがあり近似値が出せていると思います。

誤差はありますが、全く分からなかったところからするとケタは分かりますし、おおよその数字をおいて定量的に議論を進めることができるようになります。

 

フェルミ推定のコツ

精度の高いフェルミ推定をするためには、3つの考える力を養う必要があります。

①論理的思考力:求めたい数値を式に分解するのに必要。考えモレがないようにする力。

②仮説構築力:似てようなケースから類推したり、何らかの条件をおく力。

③当該分野の知識:推定スピードや質に差がでる。

コツは、

・推定値は、様々な計算式や数値が考えられるため、何パターンか求めてクロスチェック(パターン別で出した数値と比較して近いかどうか比べる)すると精度が高まる。

・不確実な要素が多い場合は、桁があっているかどうかくらいで精度を判断する

・精度を高めるためには、異なる意見や見方も取り入れ多様な視点で考える

 

メーカーでの経験を通じて

やり方を学ぶというより、マーケティングをしているとやらざるを得ないというシーンに多く出くわします。

経営層からは当然数字で語ることを求められます。データとして販売されているような既存市場の規模などであればいいですが、ニッチなカテゴリーの商品だったり、新規事業においては使えるデータも少なく、まさしくこのフェルミ推定を用いて、このデータとこのデータからこの程度の市場規模があるのではないか、と試算していきます。この思考をして推定する行為を実施して、あっこれがフェルミ推定だったんだという感じです。

また、WEBでの定量的なユーザーアンケート結果もフェルミ推定を行うために非常に有意義なデータを得ることができます。どれくらいの人がそのことを実施したいと思うか?などこちら側の想定で置くのと、実際のユーザーの定量的な結果から推測するのとでは精度が異なります。すでにあるデータと新規でユーザー調査などから得るデータを活用するという視点は役に立つと思います。

まとめ

フェルミ推定という言葉なんて覚える必要はないし、説明できる必要はありません。

実践として、上記にも書いたように数値的に根拠を語ろうとして、その数値がどこを探してもないとき、おのずと推測してみようとなります。この行為そのものがフェルミ推定ですので、マーケティング業務にておいて特に新規事業立ち上げなどの役割が与えられたときには必然的に行う業務であり、スキルだなという印象です。

 

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